FC2ブログ

スポンサーサイト

スポンサー広告
-- /-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BGM

未分類
03 /07 2014
アイシャドウが似合わない顔立ちってある。

わたしの顔がそれだ。

解ってるからチークに逃げる。

でもチークがうまく乗らない日ってある。

そういう日は、乗せてみるまでもなく鏡見てすぐ分かる。

そういう日は、似合わない前提でアイシャドウに逃げる手も悪くないかって気分になる。

数年前に少しだけ付き合った彼はジャニーズだってジュノンボーイだって顔真っ赤にして逃げ出しそうなくらい驚異的に神々しいまでに整いすぎたヨーロッパ系の顔立ちだったけど、10年選手級の腐女子ですらガチでドン引きしかねないレベルの真性のヲタクだった。


「似合ってない感じ」がちょっと好きだった。


2度だけ寝て彼とは別れた。

正確には違う。

泊まったのは二晩だけど、その二晩でした回数はそれより多い。

顔立ちだけじゃなく、性的なパワー的なアレもまた西洋人級だった。


過剰に過ぎて見苦しいほど生活感に富む彼の部屋の窓際、明らかにサイズ感を間違えたベッドの上でお昼ちょっと前に目が覚めて、しばらくすると彼も目を覚まして、求められるまま一発相手して、シャワーを浴びて、服を着て、国立か国分寺かその辺りの街をぶらぶらして、洒落た街を散々ぶらぶらしたわりには洒落っ気もなくデニーズで遅めのランチを食べて、また少し国立だか国分寺だかの辺りを2人でブラブラする。


BGMは、色のような質感で記憶されてる。


ぼんやりと青みがかった一日だった。


記憶に残る日はだいたいいつもそう。


海外の映画みたいに全てがなんとなく青っぽく見える。


彼が量販店で試供品のヘアワックスを片っ端から試して、土台はすこぶる素晴らしいのに、ワックスとか「余計なもの」を付ければつけるほどどんどん不格好な風体になっていって、それがなんだか可笑しかった。


でも、ある。そういうの。


格好つけようとすればするほど、その格好つけようとして加えたものが「余計」になっていく、みたいなこと。


わたしにもまれによく、ある。


連想するのはブルースだ。


青みがかった色の、ブルース。


わたしの頭のなかは自分で考えてる以上に安直な構造をしてるんだ。


「こうでありたい自分」と「実際の自分」はいつだって違う。


少し違う、程度じゃなくて、大体正反対くらいに違う。


その事に時々すごく滅入る。


自分で自分が嫌になって、いっそ放り出して逃げ出したくなるけど、放り出したい「それ」は、逃げ出したい「それ」は自分自身だから、放り出すことも逃げ出すことも出来ない。


そんな時、遠い日のBGMが聴こえたり聴こえなかったりする。


色に似た質感で、抽象的に何かを訴えかけてくる。


その音は現在への経緯を肯定しているようで、否定しているようで、どちらともつかなくて、判断しづらい。


多分正しくて、同時に間違ってた。


大体全部がそんな感じ。


矛盾してるように聴こえるけど、でも自分の人生を振り返って一言で表現するなら、それがもっともしっくりくる。


多分正しくて、同時に間違ってた。と、いう感じ。


後悔に苛まれる夜と、充足に満ちた納得は交互にやってきて、しかる後に去っていく。


わたしはわたしの人生にすごく後悔していて、同時に納得してもいる、という事だ。


救われたくて誰かに頼って、頼った誰かに抱かれて眠りについて、そんな夜が後悔を産んで、そんな後悔を拭いたくて別の誰かに抱かれてはまた別の後悔を上書きする。


色んな色を足して引いて最後プラマイゼロの無色透明になっても、塗り重ねた分の厚みがそこにある。


生きて死ぬことは多分そういうことだ。


アイシャドウが似合わない顔立ちってある。


わたしの顔がそれだ。


挿入されて気持ちいいと感じたことはない。


気持ちよさとは別の充足感、も、多分ない。


それでも後悔が待つベッドに自ら潜り込む時、わたしの口元は確かに笑っていて、希望に似た何かがこの心を支配して動かしてるんだ。


小さなこどもたちは巨大な風車の下で、風が吹く瞬間を待っている。


それが生み出す申し訳程度の電力を欲してるわけじゃない。


ただ動く瞬間を、それだけを見守ってるんだ。


動き出してしまえばすぐに見飽きてしまうけれど。


風が吹くまでに聴く全ての音が、遠い先の灯火になったりする。


夕暮れの国立だか国分寺だかを恋人と歩くBGMが青いのはそのせいだ。


泣きすぎた次の朝は、チークじゃなくてアイシャドウを盛る。


気化した涙の水分が空にのぼって気流に乗ってチェコとかスウェーデンとかその辺の上空まで行ってそこで急な雨になって午後3時のチェコの街に降り注いで傘を持ってきてない14歳の女の子に備えのいい男の子が声をかける口実になったりしてその男の子と女の子が結婚して生まれてきた子供が40年後に映画監督になって彼の撮った映画が国際映画祭で最優秀賞を取って日本でも公開されてその映画を観たわたしの娘のそのまた娘とその同級生の男の子が映画研究サークルで意気投合して、


バカバカしいくらい飛躍した偶然みたいな出来事の積み重ねで事実この世界は出来ていて、そんな連鎖でうごいていて、そう、風車だ。


まわりなさいと声がする。


わらいなさいと声がする。


風の声だ。


それがつまり青っぽい色のBGMだ。

コメント

非公開コメント

メランコル

基本エッチな絵を描いてます`~`

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。