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河童

未分類
12 /18 2013
「まさかねえ、あの人があんな事件起こすなんてねぇ」


それなりの地位ならある。


「ええ、礼儀正しくて温厚な方でしたよぉ」


それなりの金ならある。


「ほんと、あの人が犯人って聞いて、アタシ、まさかって思ったんですよねぇ」


法によって禁じられていない大概のものは手に入る。


「だって、そんなことする理由がないじゃないですか」


だからどうしようもないほど欲しくなる。


「女子校生を拉致して監禁して、そんなむごたらしい事を平気でする人間だなんて、思ってもみませんでしたよぉ」


禁じられたそれが。


目の前で少女が泣き喚いていて、その口に慣れた所作でガムテープを張りつける僕は「実行前」に想像していたより興奮していない自分自身をどこか俯瞰的に見つめている。


コインの表と裏。


厳密に別けるなら、どこからが表、どこからが裏なんだろう。


そして「片側」を失ったそれは、コインとして機能することが出来るんだろうか。


ああ解ってる。



この世界はいつだって表と裏が同時に存在することで成り立っている。


同時に、「都合よく表と裏に切り分ける事」で社会は成り立っている。




「そんな軽薄な考えで無責任に産むな」



誰を?



僕は、存在しないほうがよかっただろうか。


よかったんだろうな。


ああ、解ってるよ。


だから、「存在しない方がいい人」に僕はなったんだ。


そうだよ。


だからほら、僕の目の前で泣き叫ぶ少女は、身なりからしてきっとイイトコのお嬢さんだ。


この子が親に愛されてるかどうかなんて分からない。


ただ、この子は、世界に受け入れられた子だ。


産まれてくることを肯定されて産まれてきた子供なんだ。


僕は違う。


馬鹿親の無計画なセックスによって作られて無造作に捨てられた命だ。


そして人々はみな言う。


「行きあたりばったりで子供なんか作るもんじゃない。育てれないなら産むべきじゃない」


行きあたりばったりの粗末なセックスがこの世になかったら、生まれてこなかった僕という人間。


僕は親の顔なんて知らない。


生まれてすぐに捨てられたからだ。


僕は親のことを愛しても憎んでもいない。


顔も名前も全く知らない人間を欲したり恨んだりできるほど器用でも愚鈍でもないんだ。


親なんてこの際どうだっていい。


重要なのは、世界が僕の生誕を望んでいなかったということだ。


皆言う。


「我々はあなたを捨てた親に対して「じゃあ産むな」と言ってるのであって、あなたに「産まれてくるな」と言ってるわけじゃないんだ、と。


コインの表と裏。


裏があるから表が存在するのだということを、そんな世の中の成り立ちの原理を、理解できない人間がいるのはしかたのない事だ。


そういうのって、実際にそれが己の生命に関わるほど切実な立場になってみなければ、正しく理解できない類のことなんだ。


別に彼らが取り分け哀れな愚者というわけでもなければ、捨て子の僕が取り分け惨めな人間というわけでもない。


世界はただ「そのようにして」存在してるというだけの事だ。


ひとつ、あえて「哀れな子羊」をあげるとするならば、なんの罪もないのに、「なんの罪もないから」というだけの理由で僕のターゲットに選ばれたこの少女だ。


この少女こそが、最も哀れなる存在だ。


だから、僕はこの少女に、哀れみの目を向けない。


だって、哀れみの眼は、哀れな羊の尊厳を最も致命的に削ぐものだから。


ああ、公言しよう。


僕は変態だ。


女子校生を拉致して縛って監禁して猥褻な事をする変態だ。


そういうのってすごく興奮するんだ。


けれど「尊厳の剥奪」は僕の目的に含まれない。


凌辱をしたいだけなんだ。


分かる人にはわかるだろうし、分からない人には全く分からないだろう。


野球中継だってそうだろう?


毎シーズン欠かさずに見る事を生きがいにする人間がいて、あんなのナニが面白いのか全くわからないという人間がいる。


同じことだよ。


少女を拉致して監禁して、こういう事するのもさ。


分かる人間と、わからない人間がいる。


それだけのことだ。


僕は自分が変態であることも屑であることも自覚してる。


誰に弁明するつもりもない。


弁明する理由がないんだ。


社会は顔も知らない僕の両親に言った。


「産むべきじゃなかった」と。


両親が「行きあたりばったりで安易に産んだりしなければ、生まれてこなかった命」が僕だ。


子が正しき秩序から産まれるべき存在であるなら、僕の分の席はこの人間社会の中に最初から存在しないということだ。


僕は人間社会の外側を、生まれた瞬間からずっと生きてきた。


人間のふりをして、温厚なふりを、まともなふりをして、何十年も生きてきた。


それはただの擬態能力だ。


僕の本質は別の場所にある。


とても自然なことなんだ。


僕好みのかわいい女子校生を拉致して欲情のまま犯したいと思うのは、僕にとってとても自然な心の状態なんだ。


ああ、大丈夫。


分かってもらおうとは思っていないからね。


だって、君たちは「そっち側」だものね。


僕はこっち側。


分かり合えるはずがないんだ。


見えないけれどたしかに線があって、猿と人間にはDNA上ほとんど差異がなくてもやっぱりそこには差があって、人間は猿を実験動物として扱って平気で殺す。


だから「僕という種」は、人間の少女をなんの躊躇いもなく、喰う。


自然の摂理だ。


これはただの摂取だ。


生きるためには代謝に要するエネルギーを随時補填する必要がある。


人間がブタや牛を食って生きるように、僕は女子校生を食って生きる。


人間だって、自分が殺して食うブタや牛に「ねえ君、殺していいかい?僕のために、わたしのために死んでください」とイチイチ許可を乞うたりしないだろう?


この世のあらゆる命は、殺されて食われる側の許可など得ず、ただ傲慢に自分の側の都合で殺して奪って食う。


それが「人間も含めた」自然界のあらゆる生き物に適用されているルールだ。


置き換えるなら僕は河童だ。そして吸血鬼でもある。


劣性遺伝子同士の配合で染色体異常を有して生まれた子供。


彼の皮膚はまるで妖怪のように全身鱗で覆われていて、それは不吉な予感を掻き立てる不気味な姿で、だから彼の両親は、生後まもない彼を川岸に捨てた。


川岸に住む乞食たちによって育てられた彼を見た町の人が言った。


「昨日川辺で河童を見たよ。皮膚がまるで魚の鱗みたいだった。あんな人間は見たことがない。アレはきっと半魚人だ。あれこそが河童だよ」


血を吸いたいという衝動は、考えるより先に、ただ自然とそこにあった。


僕は犯して、犯して、また犯した。


拉致した少女を、犯して、犯して、また犯した。


何度も何度も何度も、犯したんだ。


泣いて嫌がったよ。


だから殴った。


殴ると余計泣くんだ。


だからもっと殴って、手が痛くなったから蹴って踏んだ。


そしたら静かになった。


だからまた犯した。


もちろん避妊具なんて使わなかった。


何度も何度も犯して、ある日、少女の腹が膨らんでる事に気づいた。


少女は言った。


この子を産む、と。


社会はあたかも「自分が正しい」かのような口ぶりで言うだろう。


「そんな子供絶対に産むべきじゃない」と。


産まれてくるべきじゃなかった子供。




ああ、そうだ、なんだか、まるで。



少女はそれでも。



顔を殴られても、腕を蹴られても、異様に膨らんだ自分のお腹だけ大事そうに、守るように。



こんな年端もいかない少女に育てられるはずがない。



強姦魔に孕まされた子など、どう考えたってきっとマトモには。



誰も賛成しないだろう。



誰も祝福しないだろう。



「あなたに対して、産まれてくるべきじゃなかったと言うつもりはないのよ。ただあなたの親に対してね、生むならもっと真剣に考えて、ちゃんと責任を持って、それが出来ないなら、安易には産むべきじゃないかなって、そういう」



脳味噌の腐りきった蛆虫どもが。



コインの表と裏。



ああ、苛つかせる。



表と裏は繋がって、2つで一つなのに、物事を綺麗事の範疇に収めるために何でもかんでも都合よく分けて考えたがる人間という愚鈍で下劣な生き物。



僕を苛つかせるよ。全部。



ねえ、母さん。



それでもこのむすめがね、絶対に産むだなんて言うから。



殺したよ。



ブタみたいに膨らんだお腹を何度も何度も踏んで、蹴って、刺して、胎児ごと殺してやった。



死に際はブタみたいな声で鳴いてたな。



はは。



分かってないんだよ。



産まれるべきじゃないんだ。



産むべきじゃない。



だって、理不尽と不慮から生まれた芽が、正しく席を与えられて、陽のあたる場所を与えられて、真っ直ぐ育つようには、世の中は出来てないから。



この星は「僕達」の住処じゃないんだよ。



なあ、名前もしらない僕の息子。



こんな世界に君は産まれてくるべきじゃないんだ。



君が生きていくにはあまりにこの世界は歪んで腐りすぎてる。



劣性遺伝、河童、吸血鬼、強姦魔。



全部、僕への呼び名だ。



けれど、そんな言葉達を産んだのは、君ら人間だ。



悪魔は一体誰だろう。



罪のない命など一つとして存在しない。



あらゆる誰もが、他の生命を食って存命してる。



ならば僕は自覚しよう。



僕の罪を。



欺瞞の上に立ち並ぶ高層ビル群にひしめく汚物達が今日も必死に粉飾決済と詐欺略奪行為に汗水たらして世界を回した気分に浸ってるらしい。



自分の事しか考えられない屑どもだ。



そう、僕と同じ悪魔。



種が違うだけの、下劣な悪魔。



塵芥を隔てた向こう側、誰かが僕を呼んでる。



ずっと昔から友達だったような気がするけど、彼は僕に対して同じように感じてくれるだろうか。



「血迷ったことをいうな」と、自分自身を皮肉る時のような口調で彼は僕に対して言うだろうか。



羅生門に咲いた華もやはりまた誰かの靴底の下で踏まれて折れて枯れて朽ちる。



一巡回ればどこぞで見たのと同じのがまたやってくる。



調和通りの混沌を巡る不毛な回転によって全部を擦り切らす前に、自ら木馬を降りた君が多分きっと正しい。



尊敬もしないし好感も抱かないけど、理解はできる。



これは河の向こうで待つ或る阿呆に宛てたものだ。

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メランコル

基本エッチな絵を描いてます`~`

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